なんと、この大勢のプリンセス達は一体どうしたことか?
一説によると、恋多きナクリエマの国王であるタートクラフト・カイザー・ストラウス王が独身時代に咲かせた恋の種のせいだと言われているが、これは少々信憑性のない大げさな話だと思う。
確かにタートクラフト国王は恋愛上手であるが、
こんなに多くのプリンセスの父となるには年齢に無理があるだろう。

また、なによりも、このプリンセス達は変身能力を持っており、
他の世界の存在、正確に言うと、よその星から来た存在のようだ。
プリンセスはスリング(投石紐)を主な武器として使いながら敵を攻撃し、
小さな体で敵の魂を奪う奇妙な行動を主な特技として使っている。
プリンセスという名称は、彼女らの珍しくて派手な服装から名づけられたのだ。
スリングを利用した遠距離攻撃が彼女らの特徴ではあるが、
アイテムを効率的に使うことも彼女らの得意とするものである。
特にポーションや回復薬などをスリングに入れて味方に降り投げる技術は
高価な薬剤を効率的に使うという点で非常に重要となる技術である。

プリンセスが他の星から来た存在だという推測は、彼女らが持っている変身能力から由来する。
大部分のプリンセスは変身する能力があるのだが、変身後の姿は驚くべきことに成長した乙女の姿だ。
変身の前には幼い少女の姿だが、変身後のひと時の間は大きくなった女性の姿になるのだ。
そして、変身後のプリンセスは光と音楽をかけあわせた珍しい魔法を使う。
彼女らの話によると、この魔法は星の力を借りて行うスターマジックと
魔法がこめられた歌の力で人々を力づけるマジックソングだと言う。

プリンセスという名前にふさわしく、
ほとんどが新興王国ナクリエマを中心に活動をしており、
「RED STONE」の探索も思ったよりは、積極的にしている方だ。
プリンセスが初めて出現した時が、正確にはいつだったのかはわからない。
しかし確かなことは、「RED STONE」のうわさが流れだす前には、
彼女らに関する話がどこにも記録されていないという点だ。
一部の人々は天上界から降りたった天使たちのこの世の姿だという話もあるし、
本当に他の星から「RED STONE」の消息を聞いて訪れた異邦人だという話もあるが、
一つ確かなことは彼女らがフランデル大陸の普通の人々とは異なって少し変ではあっても、
疑うことなく、人間だという点だろう。